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『お肉』『お魚』『お野菜』『お豆腐』『お惣菜』……まぁ、「お」付きで話す人は少なくないし、私もそうではあるんだけど。悠貴ちゃんだから可愛いのよ。
……なんか、悠貴ちゃん相手だと私何でも可愛いと思っちゃうんじゃないかしら。
個人的には悠貴ちゃんが『おトイレ』って言うの凄く好きなんだけど……って何言ってるの私。
私がそんな事を考えてるなんて知る由もない悠貴ちゃんは難しい顔で食材とにらめっこ。
……眉間グリグリしたい。
今悠貴ちゃんが見てるのはお魚コーナー。
「何かいいのあった?」
隣からひょこっとのぞき込む。その手には鰯の入ったパック。
「んー、真結お魚とお肉とどっちのつみれがいい?」
どうやら鍋の具材はいつの間にかつみれに決まったようで、その具をどっちにするかで悩んでいるみたい。
んー……あ、あれが良いなっ。
「悠貴ちゃんの鶏つみれがいい」
鶏ミンチと豆腐で作ったシンプルなつみれ。あれ、タネ多めに作っておくと何にでも使えるから楽なのよね。
「ん、おっけ。じゃあ鶏ミンチと豆腐買お」
鶏ミンチと豆腐、あとそれ以外の具材も入れてお会計。二人でエコバックに詰めて、いつもの通り悠貴ちゃんが重たい方を持ってくれて。
こんな日常さえも悠貴ちゃんと一緒なら楽しくて仕方ないの。
「お腹空いたーっ、早く帰ろっ」
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