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「寒い……」
ブルっと身体を震わせて両手で自分の身体を抱えるようにする悠貴ちゃん。
確かに最近めっきり冷え込んでは来たけれど、今日は暖かくなる、と朝の天気予報でも言っていた。
いくら寒がりの悠貴ちゃんとは言え、そこまで寒がるような気温だとも思えない。
「悠貴ちゃん、具合悪い?」
悠貴ちゃんの隣に腰掛けて、おでこに手を当ててみる。んー、まだ熱はないかな。
風邪の引き始めかもしれない。
「なんか寒いだけだから大丈夫」
いやいや、寒いってだけでも大丈夫じゃないでしょう。取り敢えず何か身体を暖めるもの……ってブランケットくらいしかないか。
でも、無いよりはマシよね。
ブランケットを取りに行って戻ってくると、そのブランケットで悠貴ちゃんを包んであげる。
「大丈夫?寒くない?す」
「ん。ちょっと暖かくなった」
そう言ってふわりと笑う悠貴ちゃんの頭をよしよしと撫でる。……ちょっと、か。
確か薬箱に風邪薬が入っていたはず。でも薬飲むなら何か食べなきゃよねぇ。
何か温まるもの……と考えて、そういえばまだ冷凍うどんが残っていたことを思い出す。
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