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「迪が入ってきた結界は、星降神社の中のカガリのナワバリみたいなもんだよ。あ、カガリがもともと天界に属す神の一族だってのは知ってるよね?」
「はああ?」
まさかそれは、あの明松北斗のことか。
「一体なんの冗談ですかそれは!」
「え、そこから説明しなきゃいけないの? うわーマジ?」
ジンは面倒臭そうな悲鳴を上げたが、それでもかいつまんで説明してくれた。
カガリとやらは今でこそ星降神社に祀られているが、本来は天界に属す位の高い神らしい。だが、天上での諍いがもとで地上へ落とされてきたのだという。
「まったくさあ、いきなりそんなのに天下りされたら、元からその土地に住んでる神とか妖とかが混乱するっての」
なるほど、天下りとはそういう文脈でこそ使うべき単語か、と迪は変なところでジンの説明に感心してしまう。
「もっとも、最近じゃ星降神社もすっかり寂れちゃったけどね」
「あそこのご神体が祟るっていうのは本当なんですか」
「あー、星石には迂闊に近付かない方がいいよ」
ジンは、だめだめ、とでも言うように人差し指を横に振った。
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