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「プッ、またクロケルちゃんが『自分は悪魔ですが天使にもなれます。お得ですよ』とか
レス付けてる。意味わかんないし! おもしろー」
彼女がソファの上で下品にM字開脚をして、パンティー丸出しで他のスレッドを見てい
るときだった。
ピコン。
新しいスレッドが立った。
「お、新しいスレね。なになに……えっ?」
それを見た瞬間彼女は、身体に電流が流れたかのような錯覚を覚えるほどの、衝撃を受
けた。
「『バアルです。アッピンの赤い本をなくしてしまいましたー』って、えっ、マジ?」
アッピンの赤い本とは、ソロモン王に封印された七十二柱の悪魔の中でも人間たちから
一番信仰を集め、全盛期にはキリスト教徒に一番の目の敵にされていたという、名誉な経
歴を持つ悪魔のバアルがいつも持ち歩いている本だ。
その本には、「世の万物全ての真の名前」が記されており、それを唱えるとどんな存在でも絶対服従をさせることが出来るという逸品だ。
バアルはいつも茶色のベレー帽をかぶり、茶色の髪を三つ編みにして瓶底メガネをかけ
て、ドジっ娘で、強者の余裕なのか野心がなく、その本の力を他の悪魔に使うなどという
発想がないピュアな性格をしている。
そのため、別に持たせておいても問題ないと、周りから奪われるようなことは今まで一
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