Chapter7

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 片手を肩から釣りながら止めれば、甘えるようにゼンが名前を呼ぶ。  しかしセツナは短く溜息をつき、ペシリと額を叩いた。 「皆が生きていて嬉しいなら、嬉しいと素直に言え」 「別に。俺にはセツナがいればいいから」  言いながら回していたナイフを腰についている鞘に戻せば、カゲミナとリオがわざと聞こえるよう小さく話す。 「・・・アイツが死ねばよかったのにな」 「ほんと、そう、思う」 「なにさバカップル。そうやってコソコソ話すとかやめてくんない?」 「お前にだけは言われたくねぇよ!」  返された言葉にカゲミナは噛みつき返す。 「まぁまぁ、静かにしろゼン、カゲミナ」  クスクスと笑いながらアザミはタン、とパソコンのキーを押す。  それに反応したのはセツナだ。 「政府からの依頼か?」 「そうだ」 「俺らを殺そうとしてたくせに、どの面さげての依頼だコラ」 「まぁそう言うなカゲミナ」  ノアがいるとしても、どうあがいても相手はホワイトだ。仕方ないだろう。 「だが、また手出ししてこようと言うのならば、相手になるがな」  キラリと輝く赤い瞳に、四人は各々頷いた。  その瞳もどこか楽しそうに輝いている。  どうあがいても抑えることが出来ないその感情は、ブラックだからと言っていいだろう。  けれど以前ほどそれが苦しいは思わなくなっていた―――ブラックとして生きると決めたからだと、セツナは思う。 「それぞれが怪我をしているんだ。また仲良しこよし、四人で向かうといい」  そしてアザミは言う。  ―――きっとこの言葉はいつまでも響くのだろう。  このB・Sに向けて。  大切な子供たちに向けて。 「――――行っておいで、私の可愛い可愛い飼犬たちよ」 Chapter7 『 B・S 』 End 長い間、お付き合いしてくださって ありがとうございました。 これにて『B・S』のお話しは終わりますが、 彼らの物語はまだ終わりません。 これからも彼らを愛してくださると嬉しいです。 本当にありがとうございました。
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