バースデー・クリスマス

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「おいおい、ちょっと待てよ。 確かにデザートはダメだったが、これでも一応自炊してた時期があったから、料理は作れるぞ?」 「ふーん、じゃあ、何か適当な物作ってみろよ。それでヘドロだったら殺すけど。 ――それで、前のミオンも勿論だけどリオンもすげぇ可愛くってさぁ~!服一つで印象ってすげぇ変わるのな」 「それは見てみたかったな。リオンが女物の服を着るのってあんまりないんだよ。 ほら、学校でも男子の制服着てただろ?」 グレアの言葉を片手間に聞いたヴァイアーが一瞬だけグレアを睨んだ後、レイナスとの話題に花を咲かせる。 ――何だ、この疎外感。 ボッチになってしまったグレアは、キッチンの隅で一人寂しく別の物を作っていた……。 ―― ―― 「できたぞ、これでどうだ?」 暫くしてグレアは、料理を持ってきた。出来上がっていたのは、形だけはピザ。 忘れてはいけない。この人は「ゼリー」と称してベト〇ターを生成してしまった人だ。 見た目はどうであれ、何になっているか解ったモンじゃない。 レイナスとヴァイアーは互いの顔を見合わせる。そして、頷くとピザを一切れずつ手に取り、恐る恐るそれを口に運んだ。 「「ッ!?」」 ヴァイアーとレイナスは同時に顔を真っ青に染める。 ――ナニコレ、まずい!超まずいッ! 冷たいトマトソースと生焼けのピーマンや玉ねぎなどの苦みが壮絶な不味さのハーモニーを奏で、チーズの味が余計に不味さを際立てている。 仕舞には、生地まで生焼けで口の中がベタベタの地獄と化した。 これは……ッ!「料理が下手」とかそんな次元の話じゃない……ッ! ヴァイアーとレイナスはピザらしき物体を水で流し込んだ。そして、一言。 「「お前もう帰れ」」 「ウソだろ……」 本日二度目の「帰れ」にグレアはキッチンの隅でキノコ栽培機と化した。 グレアは手の込んだ物を作ると失敗してしまう――それは、ミオンとリオンが身をもって知ったことだと、後日彼女たちから聞いた。 そして、それを知ってから彼女たちがご飯を作るようになったのだと言う事も――。 かくして、三人の男のサプライズは成功するのだろうか……。
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