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 ――この話をネットに載せるべきか、僕は一年間じっくりと考えた。  コトリバコや八尺様のような都市伝説はネット上にたくさんある。  大きく脚色はされていても、元になったエピソードはどの話にも必ず存在すると僕は確信している。なぜなら、僕がこれから記すのもそういった都市伝説の類だから。  当時僕を救ってくれた神主のYさんからは、この話を広めるべきかは僕の判断に任せると言われている。あの日から幾度となく悪夢にうなされ、何としても忘れようと色々策を凝らしたものだ。  しかし罪悪感と恐怖は僕の中に深く根差し、どんなに追いやろうとあの日の記憶はいつまでも鮮明に蘇ってくる。  今日ここに全てを記すことを決意したのは、この悪夢と決別するためではない。この話を掲載することで今なお増え続けているであろう被害者を救えるかもしれない。そんな淡い期待からだ。  どうかこの長い物語を読み終え、もしあなた自身が、あるいはどこかで似たような話を聞いたことがあるなら必ず僕に連絡して欲しい。僕は次こそこの呪術を未然に食い止めたい。  ――それが彼女への、唯一の罪滅ぼしになるのだから。
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