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 だからそのつもりで来たんですってば。そう言って、夏秋はソファーへと腰を落ち着ける。この部屋の主は眉をひそめるが、言っても聞かないことは分かっているので黙っていた。  彼らは互いのことをほとんど何も知らない。しかし寝ている相手の部屋に、連絡も無く押しかけるような仲ではある。明らかに歓迎していない来須の部屋の鍵を、夏秋がピッキングで開けて勝手に入ってくるのではあるが。  ではどういう関係なのかと言えばそれは案外簡単なもので。一言で言ってしまえば『仕事仲間』である。仕事と言ってもただのサラリーマンなんかじゃない。少なくともこの二人の間に存在する『仕事』は。  ――殺し屋。  一般的に彼らはそう、呼ばれている。 「んで、今回のターゲットですけど」  そう言って夏秋は話し始める。 「石上幸広、六十二歳、国会議員。ここまでは来須さんも知ってますよね」  来須が黙って頷くのを確認し、言葉を続ける。     
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