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やがて、月野マリアと佐藤雪の激しい言い争いが目の前で始まった。
「おまえは、いつも私の事を金になる道具としてしか見てねぇだろぉぉぉ!」
「月野!落ち着きなさい!
ほら、またそうやって興奮したらクスリが必要になるだけじゃないのぉぉぉ!」
「うるせぇぇぇ・・うっ・・うわぁぁ・・たっ・・大変・・佐藤さぁん・・向こうから青い男が来る・・。青い男が・・。」
月野マリアの体が、途端にガタガタと小刻みに震えだした。
「月野っ!おっ、落ち着きなさい!
きっと貴方が見ているものは幻覚です!
青い男なんて、ここにいません!
今日は、いつもよりクスリを多く飲み過ぎちゃったのよ・・。」
「いっ・・いや・・青い男が、私を襲いに来た・・。たっ、助けてぇぇ・・!」
月野マリアが暴れだした。
佐藤雪、私、片桐君の三人で月野マリアの動きを抑えこんだ。
やがて月野マリアは、目に涙を浮かべ口からヨダレを垂れ流し「ぎゃあぁぁ!」と、声にならないような激しさで部屋いっぱいに叫び続けた。
ふと私は、ドアの方に人影を感じて振り返った。
すると、青いシャツを着た50半ばの中年男がポツンと立っていた。
「雪・・。由芽子・・。」
と男が言うと、佐藤雪の顔は途端に真っ青になった。
「なっ・・なんで、貴方がここに・・。」
冷静沈着な筈の佐藤雪さえも、途端にガタガタと震え出した。
「久しぶりだな・・。雪・・。」
少しの間、沈黙が起きる。
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