歩いていく

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「――じゃぁ、頑張ってね。柚葉」 「ありがとう、萌」 ゲートの前で、互いに微笑みあう。 しばらく萌にも会えないんだと思うと、途端に寂しくなった。 「頑張るんだよ!! 柚葉!!」 「ふふっ。早く遊びに来てね」 バシっと私の肩を叩いた萌にケラケラと笑う。 天真爛漫な萌と一緒だと、やはり前向きになれた。 誰よりも私の事を分かってくれて、一緒に悩んでくれた。 「ありがとう」 小さくそう呟くと、萌が首を傾げて目を瞬いた。 本当は聞こえているくせに、と思いながら下を向いて小さく笑う。 「いってくるね」 最後にヒラリと片手を上げて、背中を向けた。 途端に寂しさが湧き上がってきたけど、抑え込む様にグッと瞳を閉じた。 見えるのは、何もない世界。 私が今から、向かう世界。 彼のいない、世界。 「ばいばい」 この日、思い出全部胸に閉まって。 私は彼の元を去った――。
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