12 さよならポトス

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「今、下にいる。そっち行ってもいいか?」 まだ、週末まで一日残っている。 それにも関わらず、ここに来たということは余程の話だろうと、 未波にも察しがつく。 だから、もちろん彼の要望に頷き返した。 しかし、玄関に現れた途端、 辻上は、ひどく辛そうな面持ちで未波を見つめた。 そして「ごめん」と呟いて、靴も脱がずに項垂れる。 もう未波には、今、彼の心の中にどんな思いが詰まっているのか 全く分からなくなった。 だから、とにかく彼を部屋に上がらせ、お茶の準備をしようとすると 「それは、後でいいから」と言われて、座卓を挟んで斜向かいに座る。
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