11 ポトスの呪い(つづき)

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11 ポトスの呪い(つづき)

そして、押し黙った未波の耳に、「未波ちゃん?」と心配げな絹矢の声が掛かる。 それで、未波も我に返った。 「ごめん。ケンカはしてないけど、何かあったのか訊いてみるね」 ありがとう。 そう言って電話を切った未波の頭には、 なぜ絹矢がこんな電話をしてきたのか、なぜ辻上に自分のことを尋ねたのかも 全く浮かんでこなかった。 それよりも、辻上に何があったのか気になって仕方がない。 前回会った時は、悩んでいるような様子はなかった。 それならば、この一週間に何か起こったというのだろうか。 だが、バレンタインの翌週にある試験まで連絡をしないと約束をしたのは、 つい先日のこと。 それだけに、一層、心配も不安も募ってくる。 勉強が捗らないのだろうか。試験に不安でもあるのか。 まさか、また体調でも悪いのか……。 しかし、色んな負の連想が次々と浮かぶ中、 未波は、スマホを見つめて悶々とするしかない。 だが、そんな日々が続くこと二日。 そのモヤモヤが、大きな衝撃となって未波に落ちてきた。
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