とある朝の出来事

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 何が不安なのかは……あの時の出来事が衝撃てすぎたのかもしれないと僕は思うので、強くは言えないし、幼馴染のリゼルが僕を大切に思ってくれているのは伝わるので、ちょっとだけ僕は優越感があったりする。  秘密だが。  とはいえ、注意はしておくことにはしている。つまり、 「こんな風に僕に抱きついているのを見られたら誤解されちゃうよ。女の子が僕も、リゼルが好きなんだし」 「……そうだな」 「僕は生きてるからそろそろこういうのは止めた方が良いよ」 「……嫌だ」  そう言ってリゼルは僕の胸の辺りに顔を埋める。  精悍ともいえる様な男らしい顔立ちになりつつあるリゼル。  それが幼馴染の僕にこんな風に甘えるのは奇妙に見えるかもしれないけれど、“あの時”の出来事が尾を引いているのだから仕方がないのかもしれない。  それだけ僕はリゼルにとって大事な幼馴染だったのだと思うと……うん。  とはいえ、“勇者”の称号を持つリゼルを、ただの駄目人間にしておくのは幼馴染として僕も許せない。  なので僕は抱きついているリゼルをひきはがして、
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