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いつもの様にそんなことを言うカイルに僕は、
「そうやって恋人を物みたいに言うのはよくないですよ」
「いや、こう、スノーレットはレオナを可愛がっているからな」
確かにこの近所の綺麗なお兄さんで、僕の魔法の師匠でもあるはかなげな美人な男のスノーレットは、僕の本当のお兄さんのようにも感じるくらい仲がいい。
だから僕にカイルは聞いているのだろう、そう僕が思ったのでいつものように、
「うーん、スノーレットさんがカイルさんを大好きなのは知っているので良いですよ」
「よし、では俺はお前にリゼルをあげよう」
「分かりました、大事にします」
僕がそう答えると、リゼルもスノーレットもどちらも微妙な顔になる。
いつもと同じ答えなんだけれどなと思いつつ僕は、今の会話で、少し顔を赤くしているスノーレットに、
「スノーレットさんもカイルさんに、きちんと恋人なら言うべき事は言ったほうが良いですよ」
「いえ、僕は……ええ、そうですね」
困ったようにスノーレットは笑う。
輝くばかりの花のような笑顔で、そういえばこのスノーレットは美人で有名で、隠れ親衛隊がいるらしいと聞いた事があるなと思い出す。
僕は接触したことはないけれど。
そこで僕の頭を軽くリゼルが叩いて、
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