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現れたのはスノーレットだった。
やはり昔から一緒に居る近所のお兄さんなスノーレットだけは僕の味方だと思って、近くに来たスノーレットに抱きついた。
「大分こたえているようだね。リゼルが、しばらくレオナと口を利かないと言っていたから何があったのかと思って様子を見に来たのだけれど……今度はどんな喧嘩をしたのかな?」
苦笑するようなスノーレットだけれど、僕がありのままの話をすると表情がこわばる。
どうしたのだろうと思っているとスノーレットは真剣な表情で、
「そうですか。だからリゼルはまたカイルに、教育して欲しいと言ってきたのですね」
「! 剣の訓練を始めたのですか!?」
「ええ、リゼルは、強くなりたいからと。レオナを守りたいそうです」
「僕、昔みたいに弱くないよ。さっきだってリゼルの手助けが出来ました」
「……それはそれでいいことのはずですが、リゼルはリゼルなりに意地があるのでしょう」
「意地……それを言うなら僕にだってあります」
「そうですね。まあ、ゆっくりその内話してみるのもいいでしょう。リゼルも思い悩みすぎている部分もありますから」
優しく諭すようにスノーレットに言われてしまうと、僕もそうなのかなと思う。
そうやって話しているとお腹が空いてきて、丁度お昼も近いので僕達は昼食を取ったのだった。
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