最弱

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 こうしてその日は午後の授業を受ける間も、僕はリゼルと一言も口をきかなかった。  しかも席だって離れてしまう。  それから夕食も別々に食べて、現在部屋に戻ってきていた。  食事の時にリルとミミと、明日何時に待ち合わせるか決めた。  明日は学校が休みなので、今度の演習に行く時の必要な品を購入することにしたのだ。  食事の材料とか材料とか材料とか。  その話はリゼルにはしていない。  だって一人で、カイルさんの所にいって剣の修行に行ってしまったからだ。  だから部屋に戻ってきた時、僕に声をかけないどころか顔をそむけているリゼルは何も知らないのだ。  それでも一緒のチームなので連絡事項だけ伝えると、 「俺は一人で買いに行くからいい」 「……でも役割分担もあるから一緒に行こうよ」 「嫌だ」  そう言って、絶対に僕の話をリゼルは聞いてくれない。  試しにお菓子で釣ろうとしてみたが駄目だった。  買ってきて置いた僕の秘蔵のお菓子、“マルセルさんのクッキー”。チョコチップが入って、白い粉砂糖がまぶされた、口の中に入れるとほろほろ崩れる品だ。  このクッキー、リゼルの好物なのになと僕は思いながら、 「どうすれば一緒に来てくれる? リゼルも仲間だから一緒に買い物をしたい」  僕はとりあえず、リゼルがいつもお願いを聞いてくれるように、見上げるような格好でお願いをしてみた。
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