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「これで欲しいものは全部だよね?」
僕が問いかけると皆が頷いた。
まずは商店街に向かい、商店街の入り口付近にある魔法雑貨店へ。
朝の時間だけ全品一割引きセールをやっていた。
だから急いで僕達はにおいを消す魔法道具を幾つも購入する。
多めでもいいだろうといった話になり、十本ほど購入した。
これを使用して、料理をやれる。
僕はリルとミミと一緒にぐふぐふ笑った。
次に食品の、特に加工食品の割引を探しに言った僕達だが、そこで思わぬ事態に遭遇してしまった。つまり、
「今から一時間、ここにある商品全品五割引き!」
ざわめきが周りに広がった。
押し寄せる人!
そして商品の争奪戦!
敗者と勝者を分けるその戦いの場で僕は、人に流され集団から放り出された。
「う、うぐ、何でこんな事に、いや、もう一度挑戦するぞ! うぎゃぁ!」
五割引きセールの人の力は、誰も寄せ付けない鉄壁と化していて僕を阻む。
だがすでに見ると、レジの前では僕以外の三人が目的のものを手にし、並んでいる。
そう、僕だけが敗北者だったのだ。
このままではいられるか、そう僕は思って再び突入するも入れない。
だがそこで僕は気づいてしまう。
他の三人で加工品全部は手に入っているだろうことを。
つまり僕は今、無駄な努力をし、意味のない役割を演じている。
何てことだ、そう人知れず僕が嘆いているとそこで、
「何時も勇者リゼルと一緒に居るお前が、何でここで一人でいるんだ?」
そう、何故か学園の外で僕は、ドミニクと遭遇してしまったのだった。
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