29(承前)

3/11
前へ
/11ページ
次へ
 テルから暗号通信がはいる。 「想定外だ。こちらは頭上の緑が分厚くて、ヘリを狙うレーザー照準がとおらない。移動してもかまわないか」  タツオはチーム伊の全員につながる回路を開いた。 「サイコ、テルが頭上の緑でロケットランチャーの照準が不可能だといってる。移動できるか」  冷たいサイコの声が返ってくる。 「無理。装甲を開けて、狙撃態勢にはいった。スコープの調整も済んでいる。まだ敵の地上戦力はここまでこないわ。わたしはここで狙撃にはいるから、テルだけいかせて」 「おいおい、おれは?」  クニがそういうと、サイコは間髪をおかずにこたえた。 「クニは弾よけ」
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

56人が本棚に入れています
本棚に追加