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近づいてきた三機の戦闘ヘリコプターが左右に急旋回を開始した。敵は二回のロックオンで撃墜とみなされ、戦場から撤退しなければならない。レーザー照準をあわせられたことをしり、あわてて散開したのだ。しかし敵も黙ってやられている訳ではなかった。
戦闘ヘリの短い水兵翼の左右にさげられたドローンが機体を離れて偵察飛行を開始した。こちらには攻撃兵器は積まれていない。だが森のなかのゲリラ戦では、位置を敵に正確につかまれるのがもっとも危険だった。地上戦の戦力は3倍である。タツオは叫んだ。
「ドローン狙撃用意。サイコ、マルミ頼む!」
数百メートル離れているうえに、空中を飛行する大型ドローンを狙撃するのだ。スナイパーの技量だけでなく、幸運も同じくらい必要だった。
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