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サイコの狙撃銃が野太い発射音をあげた。迷彩色のドローンから火花が散って、ふらふらと樹海に沈んでいく。
「撃墜確認、一番槍はわたしね」
さすがにサイコは腕は確かだった。難しい的ほど力を発揮する実戦型の射手である。
ジョージからの報告が届いた。
「敵戦闘ヘリコプター、こちらのレーザー照準の射程外で空中待機中。情報をとるのはドローンにまかせて、安全圏でこちらの作戦を分析するみたいだ」
冷静に敵の空中戦力に引かれてしまうと、こちらの作戦行動は縛られてしまう。タツオは叫んだ。
「ジョージ、なにか手はあるか」
「ぼくにいかせてくれ。樹海と平原の境まで、緑の下を潜っていく。そこでさっき一度ロックオンした二機を落としてくる」
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