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普通の兵士がそんなことをいえば、自殺行為だと止めるだろう。だが相手は抜群の戦術眼と身体能力を有する天才児だった。タツオは狭い抗12型のコックピットでうなずいていった。
「わかった。戦闘ヘリを頼む。援護にテルをつけようか」
「いいや、ひとりでだいじょうぶ。この作戦はスピード勝負だ。ぼくは抗12の操作は、うちのチームの誰よりも慣れてる。予備の銃弾もすべてここにおいていく」
抗12型の機銃弾倉はひとパックで20キロ近い重量があった。予備の6つを手放せば、120キロ近い減量になる。
「わかった。くれぐれも無理はしないでくれ」
風のように涼しい声が返ってきた。
「わかってる。タツオが見た未来のイメージだろう。十分に注意するさ。呂2号、いきます」
タツオの位置から深い緑のなかを目覚ましい速力で駆けていく迷彩ロボットのひらめきが見えたような気がした
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