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敵の情報収集能力はこれで半減だろう。
「ジョージ、そちらの様子はどうだ? ドローンは3機撃墜。戦闘ヘリのほうへ撤退していくみたいだ」
ジョージの弾んだ声がきこえた。
「あと25メートルで樹海の端にでる。戦闘ヘリはまかせてくれ」
余裕綽々(しゃくしゃく)の声が急変した。
「敵機発見、抗12、3機。こちらに向かってくる。回避行動に移る」
ほんの一瞬遅れて、機銃弾の掃射音が鳴った。遠くの発射音もセンサーが何倍にも増幅して届けてくる。タツオは自分が機銃掃射されたかのような衝撃に打たれた。
「ジョージ、だいじょうぶか」
「なんとか。退避しながら、敵ヘリのロックオンに挑戦中」
機銃音は断続的に続いている。10発集弾されれば、作戦行動は不能になるのだ。
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