第1章 出会い

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「ねぇ美咲」 「なあに?」 「美咲、本当は私に何か聞いて欲しい事があったんじゃないの?」 男達が思い出話で盛り上がっている時、横に座っている美咲に話しかけた。 飲みに誘ってきた時いつもと少し様子が違ったから、きっと何か相談事があるんだと思う。 「あ、バレた?  実は相談があるの」 「やっぱり」 「思い出話始まっちゃったし、私達邪魔だよね」 「じゃぁ抜けようか。私その前にお手洗い行ってくる」 予想通り。 まぁ4年も付き合っていれば、だいたい何考えているかぐらい分かる。 それなら、こんなよく分からない集まりに混ざらなければ良かったのに、と思ったけど口には出さない。 出会いがないと嘆く美咲にとって、出会いの場は貴重で一つも無駄にしたくないんだろう。 それでも、抜ける事に反対しない所を見ると、目当ての男はいなかったらしい。
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