第1章 出会い

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「――」 トイレから出ると、目の前の壁に寄りかかって純が立っていた。 その姿を見て、心の中で小さく溜息を吐く。 「帰えんの?」 「うん、残りは男同士で楽しんで」 適当に笑顔でそう言って彼の前を通り過ぎようとした時、トンと肩を押されて壁に押し当てられた。 まるで逃がさないと言わんばかりに、彼は腕の檻に私を閉じ込めて不敵に笑った。 普通よりかは少し綺麗な顔で産んでくれた両親には感謝してるけど。 こういう時、本当にめんどくさいって思う。 気のない人からのお誘いは、特に。 「この後2人で抜けない?」 ほら……ね。 いつもこんな展開。 「美咲と話あるから」 こんな事してる時間もないんだよ。 そんな事を思いながら、素っ気無くそう言う。
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