第1章 出会い

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「慣れてんの? こういうの?」 「お互いにね」 何歳だったけ? この人。 確か、美咲が高1の時に高3だって言ってたな。 って事は28歳か。 私の淡々とした話し方に、最初は眉を寄せていた純だったけど。 なんだか、どんどん面白いモノを見る様な表情に変わっていった。 その姿を見て分かったのは、この人は生粋のSだという事。 という事は、私のこの態度は逆に純のSな部分を刺激しているのではないか。 失敗したな。 「瑠香ちゃんって、男に全く興味ないんだね。でも、それが逆にもえる」 「――」 「意地でも惚れさせたくなる」 そう言って、片方の唇をクイッと上げた彼はゆっくりと私の唇にそれを重ねた。 お酒と煙草の香りが口内に広がる。 それでも、別に驚かない。 キスぐらい、どうってことない。 こんなの挨拶の延長にすぎないから。
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