第1章 出会い

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――…それからあっという間に週末が過ぎた。 結局あの後、美咲の家に泊まって朝まで恋愛相談にのった。 私は駆に去り際に言われた。 『自分を大切にしろよ』 という捨て台詞が頭の中でグルグル回っていて、モヤモヤしたものが胸の中を覆っていた。 自分を大事にしろ? 大事にしてるわよ。 高校生なんかじゃあるまいし。 キスの1つくらい、どってことない。 好きでもない人と寝れるくらいなんだから。 大人は。 言い返せなかった事に、徐々にムカムカしてくる。 何か一つでも言い返してやれば良かった。 そう思うものの、二度と会う事のない人間に腹を立てても仕方ないと思い直す。 もちろん、純に連絡するつもりもないのだから、あの男とは金輪際会う事はない。 そう思っていた。
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