所詮大人も子供 ~episode4~

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それでも、直ぐに我に返って瞬きを繰り返す。 よくよく考えれば、この言い草って――。 そんな事を思いながら、ジリジリと追い込んでくる櫻井さんを、じっと私も見つめ返す。 そして。 「櫻井さん」 「何」 「前から思ってたんですけど」 完全無欠の私の上司。 どんな時も冷静沈着で、仕事にも行動にも一切無駄がなく、出来ない事などない。 『NO』とは決して言わない、我が社の次期社長。 そんな彼だけど――。 「もしかして...…ヤキモチ妬いてます?」 こんな事、思っていいんだろうか。 あの櫻井さんが、私にヤキモチを妬いているなんて。 私の言葉に、全く表情を崩さずこちらを見つめ続ける櫻井さん。 なかなか言葉を発さない彼を、じっと待つ私。 すると。 「悪い?」 真顔でそう言った櫻井さんは、どこまでも大人で。 でも、垣間見えた表情は、なんだか可愛かった。
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