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思わず口元を緩めた私を見て、櫻井さんの瞳に炎が灯る。
マズイ、と思った時には時既に遅しで、両手を私の腰の所に置いて、更に間合いを詰めてきた。
「俺だって、完璧じゃない」
「――」
「それに、1人の男なんだ」
そう言った瞬間、噛みつく様に唇を塞がれた。
勢いで倒れそうな体を片手で支えられ、貪る様に隙間を埋めて口内を犯される。
それでも、徐々に倒れていく体。
いつの間にか背中がテーブルにくっついて、足だけがその下でブラブラ揺れている。
いつもより少し乱暴なキスに、息をするのに必死になる。
空気を求めて唇を離そうにも、櫻井さんは逃がしてくれない。
それでも、力任せに彼の胸に手をついて距離を取った。
「櫻井さん...…人来ちゃいますよ」
私の上に馬乗りになる櫻井さんを恨めしそうに睨みつけながら、そう言う。
それでも、私の言葉を聞いて、不敵に笑った櫻井さんは再び私の唇を犯そうと顔を近づけてきた。
そして。
「まだ、そんな事考える余裕あるんだ?」
「え?」
「そんな事すら考えられない様にしてやるよ」
そう言って、今度は首筋に噛みついた。
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