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「あぁっ――んんっ」
我慢できない声が、静かなフロアに響く。
それでも、必死に唇を噛んで我慢していると。
「そんなに噛むな。唇が切れる」
艶かしいほど濡れた唇を、真っ赤な舌がペロリと這う。
上目使いで下から私の顔を見上げてそう言った櫻井さんに、恥ずかしさで死にそうになる。
「大丈夫だ。もうここに誰もいない」
「――っ」
「声、我慢しなくていい」
そして、余裕な表情でそう言って、あろう事か再び愛撫を始めた。
あまりの快感に、自分の体が制御出来なくなる。
打ち震える度に、頭の中が真っ白になる。
「んっ」
水気を帯びた音を指で奏でながら、テーブルに横たわった私にキスをする櫻井さん。
イヤラシイ音のする中で、何度も私は頂点へと導かれる。
「――駆っ――もぅ...…ダメっ」
「いいよ、何回でも」
一気に早くなった手の動きに、私の体は弓の様にしなる。
もう自分の体が自分の体じゃないみたいで、言う事を聞かない。
熱い息を吐く私を見つめるのは、艶かしい表情の櫻井さん。
いつの間にかスーツの上着を脱ぎ捨てて、ワイシャツ姿になっていた。
「――ハァハァ」
空気を求めて、お腹が大きく上下する私を上から見下ろす櫻井さん。
その瞳をじっと見つめて、コクンと小さく頷いた。
「瑠香」
その言葉を合図に、ゆっくりと温かいモノが入ってくる。
それと同時に、ギシギシと揺れるテーブル。
額に汗を光らす櫻井さんは、乱暴に首にかかっているネクタイを外し、床に放り投げた。
「あぁん――やぁっ」
振り落とされない様に、テーブルにしがみつく。
イヤラシイ音がフロアに響く。
あんなに誰かに見られるかもしれないと思っていた不安は、いつの間にか消えていた。
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