所詮大人も子供 ~episode5~

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「櫻井さんっ。なんでいるんですかっ」 「自分の家にいて何が悪い」 軽く睨まれて、あぁそっか、と納得した。 忘れていた。 そういえば、隣の部屋の住人だった。 「お疲れ様です」 「ん」 着崩してはいるものの、まだスーツ姿だったから、無意識にお辞儀して挨拶が出た。 たまに、上司の『櫻井さん』と『駆』との接し方の違いに今でも戸惑う。 「珍しいですね、こんな早くに帰ってくるの」 「あぁ、外で会議だったから、そのまま直帰した」 そういえば、今日は都内のホテルで役員会議だったっけ。 相変わらず、忙しく走り回っている人だな。 「お疲れ様でした」 「ん」 再び頭を下げた私に、視線だけ向けた櫻井さん。 その綺麗な横顔に、思わず見惚れてしまいそうになる。
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