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大翔はどうしても犬岩がいいみたいだ。大翔の目を見遣るとドキッとしてしまった。一瞬別人に思えた。けど、すぐにいつもの大翔の顔に戻っていた。なんだろう今の感覚は。霊ではない何かの存在がいるのか。霊以外に何がある。考えようとした瞬間、卓史は顔の左側に違和感を覚えた。蜘蛛の巣でも張り付いてきたような変な感覚だ。誰かの視線かも。左側には大翔がいる。大翔は確かに視線をこっちに向けているが、大翔ではない何かだ。
確かに何かあるのかもしれない。大翔がどうおかしくなるのかこの目で確かめたほうがいいのではないだろうか。はっきりさせるべきだろう。それなら犬岩に連れて行こう。そこで何かわかることがあるだろう。そんな直感が卓史にはあった。
卓史は姉を説得して犬岩に連れて行くことにした。
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