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静は小さく息を吐き、大翔が去った先に目を向けた。一緒にいた者にも力を貸してもらったほうがいいかもしれない。すべて話さなくてはいけなくなるけど、そのほうがいいはず。自分たちが見えていたのだから、きっとわかってくれると信じるしかない。弁慶も来てくれたら心強いけど。問題なのは頼朝が来てしまうことね。それだけは阻止しなくては。大翔が取り戻した前世の記憶の念が頼朝のもとへ伝わった可能性がある。あの家には入れないとは思うけど、念のため見守るべきね。
義経様の妾であった自分が見守るなんて分相応でないかもしれないけど。
「おーい、早く早く」
若丸はせっかちね。
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