Ⅱ リッカ

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「リッカ、なにか知ってるんだろう」  シゲはオレの気のない返事に確信を深めたようだった。 「そうなのか?」 「おい、隠してることがあるなら言えよ」  ハチとトンにも詰め寄られる。 「知らねえよ」 「じゃあ、ジャコはどうして死んだんだ。あの時、リッカがあまりにも辛そうだったから、これまで何も聞かなかった。でも、本当は、関係があるんじゃないのか? 俺たちのこの状況と」 「おいおい、ジャコってお前らんちで飼ってた猫だろ?」  トンが呆れたように言った。 「さすがに関係ないんじゃないか」 「いや、あるはずだ」  シゲの真剣な目に気圧された。 「……ジャコは何も悪くねえよ」  オレは、言った。 「詳しいことなんて、オレにだってわかんねえ。ただ、あの日ホテルで寝た女がちょっとヤバい奴だったってことしかな。どうして、あの場にジャコがいたのかすらわかんないんだ。あんなに家から遠いのに」  話し始めると言葉は止まらなかった。 「馬鹿なやつだよ。猫のくせに、馬で鹿で、おおばかものだ。家で寝てりゃよかったんだ、オレのいざこざに巻き込まれて死んじまうなんてどうしてそんなことが起きたのか……」
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