Ⅱ リッカ

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「おい、言いすぎじゃ」 「本当にそう思うか、シゲ。お前もぼやいてたろ、リッカは節度がなさすぎるって」 「それはそうだけど……」  シゲは黙り込む。 「おい、リッカ、なんとか言えよ」  ハチも頬を紅潮させていた。 「……悪かったな、三人とも。巻き込んで」  オレは言った。というより、言わされた。トンが舌打ちする。 「巻き込むとか巻き込まないとか……お前、本当にあのリッカかよ。信じられねえ」 「とにかく、メンバーで話して、結論を聞かせてくれ」  ずっと近くにいた三角がようやく口を挟んできた。 「書類の日付上はまだ君らのマネージャーだし、そうでなくても……」  言いかけた三角は、少し悩んでから言い直した。 「リッカ。誰だってトラブルを起こすことも巻き込まれることもある。そのときに、どう対処すべきなのか、未来をそのままつぶしていいのか、よく考えてほしい。今このタイミングでメジャーデビューできなかったとしても、タチアオイがそこまでのバンドだと俺は思わないよ。なんとか頑張ってくれ」  そこまで言うと部屋を出ていき、硬直した雰囲気のまま、オレたちは部屋に残された。
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