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「おい、言いすぎじゃ」
「本当にそう思うか、シゲ。お前もぼやいてたろ、リッカは節度がなさすぎるって」
「それはそうだけど……」
シゲは黙り込む。
「おい、リッカ、なんとか言えよ」
ハチも頬を紅潮させていた。
「……悪かったな、三人とも。巻き込んで」
オレは言った。というより、言わされた。トンが舌打ちする。
「巻き込むとか巻き込まないとか……お前、本当にあのリッカかよ。信じられねえ」
「とにかく、メンバーで話して、結論を聞かせてくれ」
ずっと近くにいた三角がようやく口を挟んできた。
「書類の日付上はまだ君らのマネージャーだし、そうでなくても……」
言いかけた三角は、少し悩んでから言い直した。
「リッカ。誰だってトラブルを起こすことも巻き込まれることもある。そのときに、どう対処すべきなのか、未来をそのままつぶしていいのか、よく考えてほしい。今このタイミングでメジャーデビューできなかったとしても、タチアオイがそこまでのバンドだと俺は思わないよ。なんとか頑張ってくれ」
そこまで言うと部屋を出ていき、硬直した雰囲気のまま、オレたちは部屋に残された。
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