イカロス

そんな空気を他所に

「お待たせしましたー！　揚げ出し豆腐と鶏軟骨と豆腐サラダでーす。」

店員さんが注文の品を持って襖を開けると一気に空気が凍りついた。

二人の視線を浴び、その雰囲気にそそくさと品物を置きさっさと退場する店員さん。
実に申し訳ないことをしたと思う。

あー。戻せるなら時間を戻したい。

間違って持ってこられたウーロンハイに手を出す前に…。気付けよ僕っ！
これで君との仲が拗れるかもしれないと思うとどうしようもない気持ちになる。

しかし、やってしまった事実も消えるわけではなく
もう突き進むしかなくなっていた。

僕は覚悟を決めないといけないわけで。