第7章

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 伝えたかった想いを伝えられた嬉しさで鼓動が高鳴るが、それでも多少は気恥ずかしさを残してしまい、ラズは眼前の青い輝きから逃げるように視線と共に顔を僅かに俯かせた。しかし、それは頬に添えられていた手によって阻止され、すぐさま上向かされてしまう。そして、視界に映る美しい青い瞳がその色を濃くし、唇が重ねられた。 「ああ。私も愛している」  優しく愛おしい啄みの後、離れていった唇はアウジードの想いを言葉として告げた。  愛を告げあった唇は再び傘なり合い、二人は静かに寝台の上に身体を沈めていった。  香油に濡れた指がラズの後孔を優しく撫でる。与えられるもどかしい感覚に身体はか細く震え、指を挿入されると身体の奥はもっと逞しい熱を求め厭らしくひくついてしまう。それを表に出すまいとしても、溢れ出る快感は抑えきれずに声や仕草などに出てしまう。それを目にしたアウジードは、意地悪そうにだが嬉しそうに微笑んでくる。 「そんなに早く私を感じたいか」  嘲りに似た囁きにラズは何も返さないが、その言葉を肯定するように獣の耳と獣茎がピクピクとざわめいてしまう。実に正直な身体の反応に、アウジードは声を漏らし笑う。だが、彼自身も早くラズを感じたいのか、後孔をならしていた指は早々に引き抜かれ、代わりに隆々と反り勃つ猛りが宛がわれた。 「……アウ……ジード。……あぁっ!」  ゆっくりて窄まりの奥へと沈み込んでくるアウジードの猛り。自身の内側を侵蝕していく逞しい熱に、ラズは苦しそうだが悦びに満ちた声をこぼす。 「ラズ……。お前は変わらず私を容易に飲み込むな。それに、この蕩けるような熱さも変わらず私に絡みついてくる」  久方振りに感じるラズの温もりに、アウジードは吐息を漏らすように囁く。 「……ぁ、アウジード……も……」  囁きに反応した身体が小さく震える。表面に現れた僅かな筋肉の収縮はたちまち身体の内側まで伝わり、ラズは自分の中に存在するアウジードをより鮮明に感じてしまう。それはとても熱く、触れるだけで溶けてしまいそうだった。
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