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「すみません。ひと眠りするので、しばらくの間見張っていて下さい。」
「おいおい、事件現場で眠るとか、なんて無神経な子なんだ。」
場所はパトカーの中。高校の制服を着た少女が、後部座席にもたれかかる。そして、あっという間に眠ってしまった。
「……もう寝ちまった。それにしてもホントに無防備だな、この子は。」
「……だが、この子の推理力は本物だ。そして、これが彼女の推理スタイルなんだよ。」
眠る少女を前に呆れる警官の背後から声がする。警官が振り返る。
「け、警部っ!!」
「……邪な事は考えなかっただろうな。手を出せばお前が捕まるんだ、気をつけろ。」
「はっ!し、失礼しました。」
警官は敬礼すると、周囲の見張りに戻る。
すやすやと眠る女子高生を見ながら、警部は複雑な表情を浮かべていた。
「やれやれ……。しかし、本当に無防備すぎる。だが、今の我々にはこの子に頼るほかない。頼むぞ、【眠り姫】。」
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