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甘い響きの言葉に、心が揺れた。下半身がうずく。鼓動が速くなり、息が上がる。
これが女なら、迷うことはない。即ハメる。でも、悠羽は男だ。
「男も気持ちいいよ?」
俺の心を見透かしたようなタイミングの良さだ。迷っていると、腕が痺れてきた。体格差があるとはいえ、悠羽は男だ。重い。
「降りろ」
腕の力を抜くと、悠羽の体がずり下がり、ズルズルと落ちていく。床に脚をついた悠羽が、性懲りもなく俺の手首をつかんで言った。
「してくんないの?」
さっきも言ったが、悠羽は男のわりに可愛い顔をしている。可愛い顔が、絶妙な角度で見上げてくる。
「男同士だろ」
目を逸らして声を潜めた。廊下は静かで、足音も聞こえない。
「うん、でも、興味ない? すっげいいよ」
手を引かれている。じりじりと、個室のほうに導かれていることに気づいた。
「悠羽」
「俺の体で教えてよ、セックス」
耐え切れなくなった。悠羽の体を押して、個室のドアを開ける。二人で中に入り、鍵をかけた。悠羽の胸倉をつかんで、ドアに押しつけた。唇を塞ぐ。歯をこじ開けると、舌を吸い上げて甘く噛む。角度を変えて押しつけるたびに、悠羽の頭の後ろでドアがガタガタと鳴った。
「んっ、んぅ」
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