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間抜けな声が出た。スガちゃんはベッドに座ったまま、俺を見上げて自嘲気味に笑っている。
「お前もそうだと思ったんだ」
「えっ」
「スガちゃんとセックスしたいって、お前、言っただろ。俺じゃないとダメだって言われた気がして」
びっくりして「あ」と声が出た。スガちゃんはベッドに座って背中を丸めている。うつむいているから表情はわからない。
「でも俺の勘違いだった。お前、誰でもいいもんな」
「違うんよ、誰でもいいってわけじゃ」
「違わない。実際、二人とヤッたじゃないか」
「だって、すげえ、ムラムラして、突っ込まれたくて仕方なくて、ちょうどそこに勃起チンコがあったから」
足を踏み鳴らして反論する。スガちゃんが少しだけ顔を上げて俺を見た。
「馬鹿」
「なんで馬鹿?」
「お前は昔からそうだ。もう少し自分を大事にしてくれ」
そう言って、眼鏡を外すと、それを握りしめ、ベッドに寝転んだ。両腕で顔を隠すようにして、もう一度やかましい音を立てて鼻をすする。
「スガちゃん」
「出てけって言っただろ」
「俺もスガちゃん好きだよ」
「……うん、幼馴染だもんな」
「そういうんじゃなく、好きだよ、だって、そうだよ、俺、初めてはスガちゃんがいいって思ったから、だからスガちゃんを誘った」
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