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「俺も、山口さんのこと好きです。いつも仕事熱心で気配りができて、しかも綺麗で。……いつでも俺ので気持ちよくさせますから。もっとセックスも上手くなりますから。……だから俺と付き合って」
春臣がそう真剣に口説いてくるので、美晴は観念した。不安なことはもちろんたくさんあったが、今はこの真面目な部下を信じてみようと思った。
「うん……分かった」
美晴の返事に、春臣は顔をぱあっと明るくする。そっと顔を近づけて頬に手をあてると、唇を寄せてきた。
ちゅっと軽く啄ばむようなキスを交わした後、春臣は美晴の手を握りぐっと引く。
「とりあえず、一緒に風呂入って、もう一回セックスしましょう」
「……うん」
二人は全裸で仲良く手を繋ぎ、浴室へ向かう。
シャワーのお湯が流れ出すのと同時に、二人の濃い喘ぎ声が次第に大きくなっていった。
「ね、春臣くん」
「なんです?」
「今度、春臣くんのソレで、張り型とってみてもいい?」
「………」
不埒なのはどちらだろう。
気がつけば、いつの間にかあなたという唯一に、堕ちている――。
了
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