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美晴は困惑した。誰にも話したことはないが、美晴は男性不信な面があったのだ。それは幼い頃起きた不遇な事故が関係していたのだが、その過去の話は春臣にまだ話したくはない。
春臣はセックスに関して思いもよらず積極的で淫乱な面があったけれど、決して美晴を乱暴に扱ったり無理やり暴こうとはしなかった。根底にある春臣の優しさを、美晴はこのセックスで感じ取っていた。
この先、春臣のようにセックスの相性がよく、好みの巨根の持ち主に出会える可能性は限りなく低いだろう。だから、美晴は勇気を出して春臣を見つめた。
「私、うまく付き合いないかもしれないよ」
「それは俺もです。そんな経験が豊富なわけじゃないし」
「迷惑かけたり、幻滅させたりするかも」
「そんなの、みんな同じですよ」
春臣は眼鏡をくいっと上げて、美晴を見返した。
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