それから

14/14
前へ
/14ページ
次へ
雪は雄造の腕に抱かれたまま、うつむく。 「だから雄造は私の許嫁になったのか……。雄造がいてくれるなら私は、進む!」 村人たちは、雪と雄造に土下座を向けていた。 「許してください……。お願いします……。子供たちを、わしらを……」 「顔をあげてください。あなた方は私の父上が、母上が愛した人たちです。私が必ず、この地を治めます」 人々は頭を上げなかった。 それを見て雄造が手を引く。 「今度は津上屋の大旦那の命を頂く。雪、行くぞ」 雄造と雪は歩き出す。 この地を再び、穏やかな地にするために。 つづく
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加