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雪は雄造の腕に抱かれたまま、うつむく。
「だから雄造は私の許嫁になったのか……。雄造がいてくれるなら私は、進む!」
村人たちは、雪と雄造に土下座を向けていた。
「許してください……。お願いします……。子供たちを、わしらを……」
「顔をあげてください。あなた方は私の父上が、母上が愛した人たちです。私が必ず、この地を治めます」
人々は頭を上げなかった。
それを見て雄造が手を引く。
「今度は津上屋の大旦那の命を頂く。雪、行くぞ」
雄造と雪は歩き出す。
この地を再び、穏やかな地にするために。
つづく
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