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「雪の連れだよ」
雪が間に入る。
「そう。私の連れだ。怖くないぞ。三吉」
三吉と呼ばれた男の子は、そうかよと頬を膨らます。
雪は、握り飯を作り終えて、雄造に渡す。
「三吉、ありがとう。助かった」
「三吉、ありがとうな」
雪のあとに雄造も感謝の言葉を吐いたが三吉は不機嫌そうだ。
「早くいなくなれよ!見つかったら、おいらも磔にされちまう!」
「分かったよ」
雪と雄造は、早々に立ち去る。
そのまま、水を求めて川へと向かった。
川に着くなり、雄造は「魚もとるか?」と雪に聞いた。
「釣竿など、ないだろう?」
「まぁ見てな」
雄造は懐から小刀を取り出すと川に向けて、それを投げた。
その小刀は鮎を串刺しにして川に浮かぶ。
雄造は、川へと入り鮎と小刀を手に取った。
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