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握り飯と鮎を食べ終えると雪は、雄造にもたりかかり、そのまま寝息をたてた。
「ふふ。強がってもまだ子供だもな……」
父を母を殺され、その幼い身体には無惨に虐げられた過去を持つ雪。
雄造がいなければ、恨みによってその生涯を終えたかも知れない雪。
雄造は雪の頭をそっと撫でて、ゆっくりとその身体を川原へと置く。
雄造は立ち上がり、声を側の林へと向けた。
「出てこい。俺が目当てだろう?」
林から、がさりと音がして一人の男が表れる。
「お気づきか。どう声をかけたか悩みましたが、それならば話が早い。どうか私に稽古をつけてくれないか?」
「稽古?俺らの命が目当てじゃないのか?あんたは誰だ?」
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