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雄造は、そのまま鞘をももたろうの胸元を払おうとするが、すんでのところでももたろうは一歩下がりかわす。
そのまま、ももたろうは足払いをかけようとするが、雄造はその足を鞘を地に突き立て防ぐ。
お互いに二歩下がる。
「ももたろうさん、強いな……」
「あなたもなかなか。稽古をつけてもらうだけあります」
お互いに踏み込み、つばぜり合いを繰り返す。
鞘の勝負と言えども、どちらも一切手を抜かなかった。
二人の額に汗が伝う。
また、お互いに二歩引いて向かい合ったとき、ももたろうが鞘を下げた。
「もう結構です。あなたが上か、もしくは互角。私は、今以上に修行を積みますので、また会えたなら手合わせ願いますか?」
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