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雄造も鞘を下ろす。
「いや。あんたも強い。広臣様が健在なら紹介したいくらいの腕だった。また頼む」
雄造は、長刀を鞘に戻そうと振り返る。
そこで異変に気付く。
「雪……。何処に行った?」
雪が寝ていた場所に雪がいない。
「ももたろうさん、雪を知らないか!?」
「さて、私も夢中で……」
「分かった!ありがとう!また会おう!」
雄造は、そう言うや否や駆け出した。
雄造の目指す場所は、さっき通った村。
雪が勝手にいなくなるとは思えない。
だとしたら、雄造の目を盗んで拐ったとしか思えない。
「雪!無事でいてくれ!」
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