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「でもでも、どんなに強い苗字でも平仮名にしちゃえばレベルが下がっちゃいますよねぇ」
田中が明るげに言う。まぁ、そうだろうけど。
斉藤と才藤、見た目は違うけど同じ読みだし。でも、それはなかなか厳しいフォローだと思う。
「まぁ、地道に小さいモンスターから倒すしか出来ねぇよな。レベル上がらねぇし。なんなら、強いやつ連れてくるしか手はないけど……でも、斉藤は俺らに比べたらレベル3だし、それなりに強いし」
池田が肩に手を置いてくる。
なるほど。万が一、このメンツで戦わないといけない羽目になった場合、俺が盾にされるわけだ。
「それに、急に二階堂やら五十嵐がこっちに入るとバランス悪いしな。レベル差がひどすぎる」
「あー、言えてる」
田中が苦笑し、川上も頷く。俺も同感だ。
3ー4がその状態と言える。中山、二階堂、野田といった並びはバランスが悪い。そうなると、やはりレベルが低くても斉藤、池田、川上、田中の並びは安心感があるような。
ほのぼのとそんなことを考えていると、がらりと引き戸を開けて誰かが図書室に入ってきた。
「君たち、そろそろ下校時間なんだけど。いい加減に帰んなさい」
神経質そうな口調の女性教師、我らが顧問の神宮先生だった。
「あれ? ちょっと待って」
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