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「廃校 古城 廃工場 廃墟」
と、ちょっぴりいたずら感覚で言葉を打つ。
うふふと笑いながら項目を足しenterする。
画面に画像が次々と現れる。
瞬時に映し出されたいくつもの画像を観る限りではどれもこれも素敵な場所。
古びた建物、壊れかけた建物にライトを当て、怖れる要素などどこにもない。
神秘的で雅。
リアルな世界から抜け出した今昔物語。
選びたい放題の画像の一覧に
パソコンに食い入るように探していると、電話が鳴った。
はい。と返事が終わらない内に向こうの声。
「ふーな、電話でたあ。よかったー。今夜泊めてくんない?終電逃しちゃってさあ。
ふーなんち俺の会社近くだから助かるんだよねー」
「じゃじん、あんたねえ」
「これから行くよー。じゃあ、よろしくー」
私がいいよ。って言う前に電話を切る。
相手は江田良治
一つ下の弟と同級生。
私とは幼馴染。通称じゃじん。
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