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昔、好きだったテレビの変身ヒーローもののジャランマジンに似ていたことからこの呼び名がついた。ま、私がつけたんだけど。
それでも「じゃじん」って呼んでるのは、私ぐらい。
「ほんっとに、あなたは私の意志なんて総ムシですか」
携帯の暗くなった画面にベーと舌を出す。
「あーあ、だめだあ。画像だけじゃあいい案が浮かばない」
ごろんと仰向けに寝転がった。
天井の白い壁紙に茶色のシミがついている。
いつかの、
じゃじんが来たときのコーラーを振りかけて出来たシミ。
それを見るたび、胸の奥がつっかえてキリキリ痛むし涙が溢れてくる。
「はあ」
ため息をつくと、玄関のチャイムが鳴った。
「どうぞ。鍵開いてるから」
ガチャンとドアが開く。
私の体勢は崩さない。
仰向けのまま目に写るのはじゃじんの顔。
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